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【投票】投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018(つみたてNISAの投資信託を選ぶ基準)



ほったらかしの投資信託

年1回は立ち止まって考える

HIRA (@Open_JP) と申します。

これはファンドが大好きで仕方がないマニアックな方々が、自分の推しメンのファンドを考えて総選挙で投票するという、一般人からすると大変奇妙なイベントです。私は、投資信託やETFといった金融商品そのもの(乗り物)のスペックより、投資先(目的地の天候・観光情報)に興味があるのですが、年に一度は考えようと投票してみた次第です。

この記事では、個々のファンドに関して述べるのではなく(レクサスRXのココがスゴイ!!ではなく)私がファンドを選ぶ際に見ていることについて記しておきたいと思います。

「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」とは?
投資信託について一般投資家の目線でつねに考え、情報を集め、ブログを書いている投信ブロガーたち。投資信託の事情通である彼らが支持する投資信託はどれか?証券会社の宣伝やうたい文句にまどわされず、自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガーたちが投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」というイベントです。
引用:http://www.fundoftheyear.jp/2018/


単純に考えることは出来ない

その人の最適解は異なる

2018年現在、国内の投資環境を鑑みるに、万人にとってベストな投資法(乗り物)は存在しないと考えられます。仙台と東京を移動する乗り物を選択するとき、多くの方にとっては東北新幹線が最適解になるでしょうが、資金や時間の制約のために夜行バスを選ぶ方もいらっしゃるでしょうし、子供が多いご家族には自家用車で東北道という選択肢がベストかもしれませんよね。

これと同じで、NISAやiDeCoといった非課税制度を含めた税制、ファンドの売買や保有に係る諸経費資金力リスク許容度(に影響を与えうる背景)といった個人投資家の多様性は、ひとつの答えを導き得ません。ゆえに最適解という言葉は、あくまで最適解であって、決して万人のベストチョイスという意味ではないことを、再確認しておきたいところ。

つまり何を申し上げたいかといいますと、
最適解には前提条件が必ずあるよね
ということです。

逆に、条件付けがないならば、
純粋にファンドの性能を測るならば、
海外ETFの旗艦に勝てる訳がありません。

「あらゆるファンドから貴方が好きなものをお選びください」という単純な命題では、最もマジョリティーな前提条件が出力されるだけであるのは目に見えている訳です。仙台と東京を移動する手段を多数決で決めるとき、No.1は東北新幹線の普通席になると思いませんか。グランクラス席にもプライベートジェットにも、なり得ないはずです。



条件:つみたてNISA

つみたてNISAのコアを考える

そこで今回は、あえて自分で条件付け(テーマ)を行なった上で投票してみました。このテーマを前提に投資信託ひとつだけ選んで全投票権を投じました。今年のテーマに相応しいはずです。なお、選ぶ際に考えた主な項目は以下の3つで、これは私が投資活動の主力としている海外ETFの長期投資を行う際の原則にも通ずるものです。

条件付け(テーマ):
つみたてNISAのコアに適するファンドは?

優先度:★★★
「アセットクラス」

どのアセットクラスに対するエクスポージャーを実現するのか。つまり乗り物の目的地はどこかという項目です。日本人の個人投資家にとって、ポートフォリオのメインとなるアセットクラスは、外国株式(先進国株式)になるのではないでしょうか。王道を選びたい。逆に外国株式を除いたポートフォリオを構成するのは至難の業ですよね。また日本株や米国株など単一国を対象とするものは長期投資のコア部分にはなり得ないはずです。そして選択の余地があるならば適切なインデックスがベンチマークとして設定されているかをチェックしたいところ。稀に、連動しないインデックスをベンチマークに設定している不可思議なファンドがあります。パッシブ運用(インデックス運用)のファンドを選ぶことは言及するまでもない、ということでよろしいでしょうか。インデックス運用に関しては名著「敗者のゲーム」がオススメです。

優先度:★★
「純資産残高」

つみたてNISAでは、20年に渡ってファンドが生き続けなければなりません。ファンドの持続可能性を測るひとつの指標がファンドの純資産残高です。あえて規模の小さいファンドを選択する理由は、特にインデックスファンドにおいて皆無です。よくマザーファンドの規模が引き合いに出されますが、該当ファンドが金融商品として償還されてしまえばそこで試合終了です。このファンドは金融商品として20年間存続するだろうか。20年間は意外と長い期間です。短期の債務サイクルは二回転します。余裕があれば資金の流出入も定期的にチェックしたいところ。このように、ファンドの純資産残高はアセットクラスの次に大事な項目になってくるはずです。

優先度:★
「経費率」

星をひとつ下げました。文字通り、上述の二項目よりも重要ではないと考えるからです。主要なファンドの信託報酬がゼロに近づいてきました年間40万円という少額の投資枠に対して、信託報酬をはじめとする経費率の影響は限られてきます。年間40万円に対し、信託報酬0.3%の場合には年間1200円の経費となりますが、信託報酬0.2%の場合では年間800円の経費となります。差額は僅か年間400円です。20倍でも年間8000円。一日の残業代でキャッチアップできる程度の差ではないでしょうか。複利で差が生じるとの話をされる方もいらっしゃいますが、これは現実的な比較ではありません。それならばカフェの使用率を減らし、今日からの投資額を1000円でも増やすことに専念すべきでしょう。よって償還に比するとリスクではないと思う訳です。



所感

投資信託は良いものが増えた

自動車という乗り物が市販された当初は、不具合の数も多く、メンテナンスも大変であったと耳にします。馬力も低くエンジンも頻繁に止まりました。また目的地にたどり着くためには、道路の舗装状況や高速道路といったインフラストラクチゃーの水準も寄与していたはずです。

さて昨今、高水準な投資信託が次々と投入され、非課税制度も相まって投資環境は目まぐるしく改善されたように感じております。おかげさまで乗り物そのものを吟味する必要性は、年々低下しているように思います。素晴らしいことです。今後は目的地について深く議論される方、情報発信される方がもっと増えていくことを祈念しております。

ご覧いただきありがとうございました。