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【ジュニアNISA】わが家のシンプルなポートフォリオを公開します:VTと外貨建MMF



わが家のジュニアNISA

判断基準

HIRA (@Open_JP) と申します。

本記事では、わが家におけるジュニアNISA運用方針を纏めております。もちろん投資活動であるため、時勢に応じた行動が求められる訳ですが、波に揺られて航路が変化してはなりません。まずは判断基準となる軸が必要です。そこで、先に2つの基本的原則を定めてみました。

原則1:教育の役に立つ

ジュニアNISA子供への相続という性質を持つ制度ですが、0歳より活用できるジュニアNISAを知り、正しく理解し、実際に取り組もうとする人は極めて限られており、彼らの金融リテラシーは日本国民における偏差値70を遥かに超えているはずです。つまり変人です。

しかし多くの変人は、資本主義社会における金融リテラシーの重要性と有用性を実感しており、自分の子供に対し、金融資産と併せて知識も相続したいと考えるはずです。さてジュニアNISAは、おそらく子供が初めて認識するお金以外の資産(アセット)になるでしょう。したがって、金融教育の第一段階で用いる教材として、適するものを選びたいと私は思う次第です。

原則2:家計の役に立つ

ジュニアNISAにおける運用では、対象の値上がりによるキャピタルゲインと、主に配当金によるインカムゲインが、非課税になることは皆様ご存知の通りです。一方で損益通算が出来ません。したがって、ジュニアNISAの出口は利益確定を伴わなければなりません。

投資期間は子供の年齢に依存しますが、15年前後といったところです。長期投資と表現できる期間ですが、出口戦略も内包しなければなりません。ちなみに成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことで、ジュニアNISAの投資期間も2年減少する見込みです(平成31年度 税制改正)。まず利益確定が見込める。そしてトータルリターンに対する非課税メリットが享受できる。結果として家計の役に立つ。これに適するものを選びたいと私は思います。




具体的な選択

長期と分散と株式



2つの基本的原則に即して考えた結果、私は海外ETFのVT外貨建MMFを用いたシンプルなポートフォリオを構築することにしました。長期の観点から株式を、分散の観点からVTを選択しました。参考として株式投資敗者のゲームをご紹介し、基本的考察は省きたいと思います。

ちなみにSBI証券です。

なぜVTを選んだのか

ご存知の通り、VT全世界の株式へのエクスポージャーを実現するバンガード社のETFで、純資産残高は1兆円を超えております。この規模に匹敵する外国株式のインデックスファンドは国内に存在しません。以下に選んだ理由を述べたいと思います。

第一に、私は分散を重要視しており、大国であっても一国への集中投資は避けるべきと考えております。海外ETFという乗り物を用いることで、数多の目的地が選択肢として提供されますが、ここでは世界経済の成長に賭けることを選びました。

第二に、約15年間の長期投資を行う乗り物として海外ETFを、VTを一級品と考えております(国内の投資信託より償還リスクが低いと考えます)。すなわち、海外ETFという乗り物の安全性耐久性を評価したということです。

第三に、教育の観点から、為替は早期に学ぶべきと考えます。ましてや為替を理解せずに外国株へ投資するなど出来るはずがありません。世界的に稀有な日本の現状が続くとすれば、同じく重要なインフレにも学習が進みません。外国のお金"USD"を学ぶ貴重な機会を設けたい。

第四に、教育の観点から、ETFであればキャピタルゲインインカムゲインが学べると考えます。投資信託では実感が弱い。VTそのものに値動きがあり、3カ月おきに分配金(配当金)が出ることを観察する。全世界の株式の写し鏡としてVTを教えた上で、リスク資産つまり株式とはどういったものなのか、一緒にニュースを見ながら学ぶことができるはずです。

なぜ外貨建MMFなのか

外貨建MMFは、VTから支払われる分配金をプールするための入れ物です。今は0.1ドルから買付けることができます。分配金はUSDとしてジュニアNISA口座に貯まっていきますが、このまま放置すると為替差益が発生する可能性があり、この場合、確定申告の対象となります。

確かに、配当金再投資を行っても良いかもしれません。しかし現時点では、分配金のUSD元本保全を念頭においております。

第一の理由として、経時的にUSDが貯まっていくことで、ジュニアNISA口座におけるリスク資産の割合が徐々に下がっていくことを想定しています。これは出口戦略における安定性を考慮したものです。直近のVTの分配金利回りは約2.5%となっており、配当成長をゼロと仮定した場合でも、15年間で元本に対し約35%のUSDがプールされると予想されます。

第二の理由として、教育の観点から、長期投資におけるインカムゲインの意味合いを、肌で感じることができると考えます。証券口座内に元本の35%のUSDが貯まっている事実は説得力があると思うのです。人は具体的なイメージが持てないと動けない、といわれております。もちろん、世界経済が成長し続ければ、キャピタルゲイン含み益として表れているはずです。




具体的な見通し

投資シュミレーション

それではVTを用いたジュニアNISAの資産運用は、どの程度のリターンが見込めるのでしょうか。最後に簡単なシュミレーションを行なってみました。明治安田アセットマネジメント株式会社がホームページで公開している投資シュミレーションの結果をお示しいたします。なお本ツールはモンテカルロ法を用いたツールとの説明書きがありました。

VTの直近データから、キャピタルゲイン分のリターンとして3%リスクとして15%を入力しました。元本は400万円。投資期間は平均して15年を入力しております。おおまかなイメージとして、キャピタルゲイン・ロスの分布が以下のようになり、これとは別にインカムゲインとして元本の35%(140万円相当)が底上げされる。これは皮算用ですね。

ご覧いただきありがとうございました。