外貨建MMFを活用してみた
はじめに
HIRA (@Open_JP) と申します。今回は外貨建MMFについて、今更ですが纏めてみました。決して新しくない金融商品です。しかし2016年の税制改正が効いております。これが正直な感想です。
「あ、これ意外と便利だな」
「これからも使える場面がありそう」
米ドルを"特定口座"に入れたい
この話は、先日、海外ETFを購入しようとした時に遡ります。日本円を米ドルに為替取引(ドル転)して、さぁAGGでも買おうかと米ドルの残高を確認したときに気がつきました。今月、ETFの分配金が出るんだった。
ご存知の通り、現在の取引環境では、海外ETFや外国株式は小まめに取引をすると、どうしても売買手数料が不利になります。出来る限り、まとめて発注して1回の取引で済ませたい。各々のETFから順次振り込まれてくる分配金が出揃った後に、合算して再投資を兼ねて買付したい。
でも外貨をそのまま持っていたくない。為替が動くと為替差益が発生してしまう。為替の計算は確定申告で大変面倒です。そこで、一時的に米ドルを特定口座に入れたいなと思ったのです。いろいろと金融商品を比較しました。この検討の終着点として外貨建MMFに辿りついたのです。
外貨建MMFとは
外貨建MMFとは、投資信託のひとつで、格付の高い外貨建ての短期証券に投資するものです。今回買付したブラックロックのMMFの投資方針を、以下に引用します。アメリカのマネー・マーケット商品群へ投資します。銀行引受手形、債務証書、譲渡性預金証書、短期国債、コール勘定を含みます。ポートフォリオは、60日以下の加重平均満期および120日以下の加重平均残存年限を維持することを目標とし、発行時の満期または残存期間が397日以下の証券のみに投資します。
AGGの加重平均残存年限が7年だったりするわけですから、比して短期であることが一目瞭然です。利回りをみると外貨定期のようですが、投資信託のカテゴリーであることが最大の特徴かもしれません。
SBI証券では積立サービスも取り扱っているようです(ただ為替手数料が他より若干不利でしょうか)。また円建てのMMFは、近年の低金利状況を反映して、ほとんどが償還されているようです。日本円で短期だと0%になってしまい、経費も生み出せないのでしょう。
以下に、2018年6月時点のSBI証券で取り扱っている外貨建MMFをお示しします。
外貨建MMFのメリットとは
①特定口座で管理できる
外貨建MMFは投資信託のひとつです。2016年1月1日より、外貨建MMFの分配金・譲渡損益・償還差損益は20.315%(国税15.315%、地方税5%、復興特別所得税を含む)の申告分離課税に変更されました。これにより、特定口座で管理が可能となり、株式や投資信託との損益通算も可能となっているのです。
よって、米ドルを定期預金やキャッシュで保有するより、税の扱いにおける利便性に優れることが、最大のメリットであると思われます(もしかすると損出しに使えるかもしれないですね)。
②売買手数料が無料である
比較的値動きの少ない短期債の海外ETFを購入することにより、特定口座に入れることもできます。しかしこの場合、海外ETFの弱点である売買手数料がボトルネックになってしまいます。一回の取引金額で考えると、最低でも13万円が現実的なラインでしょうか。運用資金が十分に育っていない私にとっては、難しい場面がしばしばあります。分配金が少額であった場合、本当は速やかに再投資をして複利を享受したいのですが、躊躇してしまいます。
その点、外貨建MMFは売買手数料が無料です。為替取引の手数料のみがかかる仕組みとなっております。外貨決済ならば文字通り、無料なのです。
③少額から買付できる
米ドルで買付する場合には、10米ドル以上1米セント単位となっております。10ドルあれば買付できるのです。この小回りのよさは、海外ETFにはありません。最低の買付金額は10ドルです。利便性の高さを評価したい
まるでキャッシュ in 特定口座
投資をスムーズに進めるにあたって、脇役も重要だな、と思いました。投資信託の界隈では信託報酬のコスト比較があったりしますが、各MMFの利回りは、それら経費を控除した後の数字だそうで、もっとも利回りが高く、かつ金融機関として信頼できそうな(全くの主観ですが)ブラックロックをバシッと選択して買付してみました。
決して高くはない外貨建MMFの分配金ですが、毎月末、税金が控除された後に自動で再投資されるそうです。今まで買付余力に米ドルを余らせていたこともありましたので、今後は、積極的に外貨建MMFを活用していきたいと思います。
ご覧いただきありがとうございました。
※ SBI証券では、以下のように外国株式の下段に表示されるようです。