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【帝王の教え】レイダリオが投資初心者にアドバイスする3ステップとは




ヘッジファンドの帝王が語った公式

レイダリオ Ray Dalio

HIRA (@Open_JP) と申します。

投資の勉強が好きな方であれば、書籍やニュース、どこかで耳にした名前だと思います。レイダリオ(Ray Dalio、1949年8月8日-)。ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーターの創業に携わった著名投資家です。ブリッジウォーターの運用総額は17兆円にのぼり、世界最大のヘッジファンドとなっております。それゆえ、レイダリオはしばしばヘッジファンドの帝王と称されます。

レイダリオ率いるブリッジウォーターの運用スタイルは、アルファ戦略であり、市場平均を超えることを第一義としています。機関投資家として有名な CalPERS (カリフォルニア州職員退職年金基金)からも資金を集めていますが、GPIFの様なパッシブ運用の対極にあるといえます。GPIFも出資してはいかがでしょうか、私は半分本気で思っております。

また「最小リスクで最大の利回りを目指す」ことを目指しており、どのような市況環境であっても安定的な成績をだすオール・ウェザー型のポートフォリオを組成します。この結果、リーマンショック時のプラスリターン、2018年末の世界同時株安で莫大なリターンを上げた報道は、私達の記憶にも新しいかと思います。現在までに、彼らの旗艦ファンド「ピュア・アルファ・ストラテジー」は、1991年の創設以来、平均で年12%の正味リターンを達成してきました。

そんな帝王レイダリオも現役ですので、マスメディアや書籍を通じ、一般人 (投資初心者) に対し、アドバイスのメッセージを送ることがしばしばあります。今回、CNBCに対して語った海外記事を読んでの所感を備忘録として纏めておこうと思います。

ちなみに余談ですが、現在ブリッジウォーターは投資対象をVWOやIEMGといった新興国株式の海外ETFにロングポジションを取っており、ここ最近は一貫して新興国株式に強気なポートフォリオを構築しております。



1. Decide how much you can sock away

生活防衛資金を計算せよ

はじめにレイダリオは、本屋にある投資本でも頻出の生活防衛資金をまず決定せよと語ります。 "Savings equals freedom and security" 「節約は自由と安全に等しい」と言うのです。これはレイダリオ自身の経験によるものだそうです。

「仕事を始めたとき、私は半年間の自由と安全を確保するために節約しました」「それから数年後、時間の経過とともに子供のニーズについて考え始め、その数値を計算しました」「私はそれらの金額を得るために節約しました」「収入を得ずに生活できる期間をどれくらい見積もりますか」「何ヶ月間、または何年間の自由と安全が必要ですか」「そして、あなたがそれ以上のものを持っていることを確認しなさい

そうです。生活防衛資金の大事さを語っているのではなく「投資にまわせる金額 (余剰資産の量) をしっかりと考え、計算しなさい」と言っているのです。少なくとも私はその様に感じました。帝王レイダリオが第一に語った内容が家計管理とは驚きですが、ここで綿密に計算された余剰資産をもって投資の世界に入ります。



2. Create a diversified portfolio

分散ポートフォリオを組成せよ

次のステップでは、そのお金 (余剰資産) をどうするかを決めます。

はじめに「現金のすべてを普通預金口座に保管することは賢明な判断ではありません」と語ります。そしてインフレーションと購買力の低下について説明が入ります。「インフレはあなたの資産に対する最も確実な税ですので、現金は最悪の選択です」「定期預金でも税引き後の収益はインフレ率より僅かに差があるため、緩やかな死を迎えるでしょう」レイダリオの最後の台詞は、今の日本 (日本円) にも当てはまるかもしれません。

「あなたの資産の価値を守るために、最良の選択は、インフレより速く価値が高まる資産からなるポートフォリオを組成することです」「株式、債券、不動産などの非現金資産への分散投資が知られています」

ここでレイダリオの代名詞が登場します。

オール・ウェザー (全天候型)
株式 30%
中期米国債 15%
長期米国債 40%
金  7.5%
商品 7.5%

「ほとんどのポートフォリオを見ると、市況が良い時には上手くいき、悪い時には上手くいかないという非常に強いバイアスがあります」「経済が成長しているか縮小しているか、インフレが上昇しているか下降しているかにかかわらず、あらゆる状況下で上手く機能することを意図したポートフォリオだ」

レイダリオのオール・ウェザーの詳細については、以下の邦訳が有名で読みやすいです。オール・ウェザーについてはインターネット上にも多くの情報が存在しますので、本記事では詳細を割愛させていただきます。自分自身が採用するかはともかく、示唆に富むポートフォリオです。






3. Learn the market's long-term cycles

市場の長期サイクルを学べ


そして最後にレイダリオは、オール・ウェザーを採用しない積極的な投資家こそ、経済と株式市場の歴史的パターンを理解することは非常に重要だと説きます。「大衆が売りたいときの買い方と、大衆が買いたいときの売り方を学びなさい」「歴史的なパターンを理解することによって、投資家は買い場を見逃すことを避けることができます」

つまりこの動画です。ヘッジファンドの帝王レイダリオが一般人向けに作成された動画で、しかも日本語訳になっています。神動画。これ以上に無償で手に入る有益な情報を私は知りません。絶対に見るべきです。何回も見るべきです。逆に単純すぎてつまらないなと思った方は投資経験が不足している可能性があると思います。間違いなく見る人によって感じ方が変わる内容です。





また市場サイクルに関し、同じく著名投資家のハワード・マークス氏の著書が昨年出版されております。私も拝読しましたが、市場サイクルを紐解くヒントが散りばめられておりました。あわせて彼の概論「投資で一番大切な20の教え」も必読です。バークシャー・ハサウェイの株主総会で配布された名著で、個人的にはインデックス投資の次を勉強したい方にオススメです。





最後にレイダリオの助言で
本記事を締めくくります。

"The biggest mistake that most people make is to judge what will be good by what has been good lately." "So if a market has gone up a lot, they think that's a good market rather than it's more expensive. And when it goes down a lot over the last few years, they think, 'That's a bad market, and I don't want any of it.'"

「ほとんどの人が犯している最大の過ちは、最近のパフォーマンスで何が良くなるのかを判断することです」「ある市場が大きく成長した場合、彼らはそれが高価になったと考えず、良い市場だと思います。そしてここ数年で大きく落ち込んだとき、それは悪い市場だ、全く欲しくないと考えるのです」

ご覧いただきありがとうございました。