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【無リスク資産】個人向け国債(変動10年)の特徴とは?安心安全なお金の貯蔵庫。




無リスク資産の最適解、個人向け国債

個人向けの"自動防衛システム付き要塞"

HIRA (@Open_JP) と申します。

今回の記事では無リスク資産最適解である個人向け国債(変動10年)について述べたいと思います。

リスク資産の株式や投資信託ばかりを知ることが大事ではありません。むしろ、家計管理の上では、無リスク資産の方がよっぽど大事です。最近の株価変動を受けての記事ではございませんので、あしからず。

日本人が無リスク資産で運用をするとき、いやいや、日本円を貯めるとき最も安全な場所のひとつが個人向け国債(変動10年)である、というのは過言ではありません。

国債とは国の発行する債券です。なかでも個人向け国債には、他の金融資産にはない反則級の特徴があります。日本国個人向け国債(変動10年)国民向けに用意してくれたおかげで、ほとんどの無リスク資産…例えば定期預金、貯蓄性保険…が個人向け国債に劣後し、その存在価値を失います。元本保証なら、黙って個人向け国債(変動10年)を買っておけ、という状況です。

出典:財務省ウェブサイト(2018年2月9日現在)
http://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/main/life_event/
を加工して管理人HIRA作成


そもそも日本国債は一番安全なもの

国の借金がヤバイって聞くけれど?


国債が一番安全なんだよ!」と同僚に話しても、「でも国債って、国の借金でしょ、ニュースで日本の借金がヤバイってきくよ、危ないんじゃない?」という返事が返ってくることは、想像に難くありません。

はっきり申し上げると、金融リテラシーの低い、無知な多くの日本人"常識"に過ぎません。あるいは完全に財務省に騙されている人、といえるでしょうか。印象で物事を考えると資産運用は大失敗をします。批判的であっても結構です、ただ一度は冷静に考えたいところ。

たしかに日本の債務残高は巨額だ

とはいえ、日本の債務残高は問題です。毎年債務は積み上がっており、"借金"の総額は1000兆円超と巨額です。一般市民には想像を絶する域に達しております。下図は、債務残高の対GDP比を示しております。ヨーロッパの先進国と比べても日本は"ピカイチ"です。



出典:財務省ウェブサイト(2018年2月9日現在)

日本円が世界一の安全資産である理由

ですが、ちょっと待っていただきたい。

借金にも"質"があります。消費者金融から借りた1000万円と、住宅ローンの1000万円と、家族から借りている1000万円では、全く意味が異なってきますよね。

実は、日本の借金は「家族から借りている」状態に近いのです。



出典:日本銀行 参考図表:2017年第3四半期の資金循環(速報)

約40%の保有者は中央銀行、つまりは日本銀行、日銀です。これは異様なことです。日銀は日本円を刷ることができる特別な機関であり、日本国政府と財政・金融の両輪を担うパートナー的な存在です。つまり、身内中の身内なのです。

(本稿ではこれ以上言及しませんが、日本国には幾つかの"禁じ手"があることをお察しいただければと思います。本気になれば、この400兆円の借金を消滅させることすら、出来るのです)

そして、次点で銀行、保険、公的年金と国内の金融機関が並びます。これは皆さんの銀行預金、保険の積立金が元になっています。つまり、これも身内が貸し手です。

最後に余所者である海外が出てきます。その比率はわずか11%、約120兆円です。

これに対して、日本人が外国に持つ対外純資産は、2016年末次点で約350兆円と財務省は公表しております。日本は経常黒字であり、海外にも資産を積み上げてきました。日本人は海外に正味350兆円の資産を持っているのです。何かあったら、徴税権をもって、海外の資産を売却させ、外国人から借金を取り立て、返済を完遂することでしょう。



これが日本の通貨、日本の債券が安全といわれる所以です。何かが起こったら、むしろ外貨が売りに出され、日本円が買われるのではないか。日本円が他国通貨より強いのだ。リスクオン=円高の公式は、ここから来ているといわれております。

したがって、この公式が崩れない限り、日本円と日本国債は、世界で最も安全な資産のひとつであり続けるでしょう。

もちろん、いざとなれば借金を圧縮するために、日本国政府は日本国民に対する増税を図ることも可能です。あるいはインフレ誘導によって、実質的に借金を減らすこともできるでしょう。「借金は悪いもんだ、返さないと大変なことになる、やむを得ない」という国民の共通認識があれば、十分可能なのです。ほら、もうすぐ消費増税もやってくる。国が責任を持って返済していくとは、そういうことなのです。

そもそも個人資産は、不動産も、株式も、日本国が法の下に権利を認めているに過ぎないのですから、日本国が法の下で国債の利子及び元本の支払いを保証するといっていること、これは印象ではなく国家権力として、正しく捉えるべきだと思います。

国債は銀行預金よりも安全である

万が一、日本の財政が悪化して、金利が上昇し、国債価格が下落したと仮定しましょう。

すると上述の通り、国債を多く保有する金融機関、すなわち銀行の経営が悪化し、経営破綻のリスクが生じてきます。その場合、皆様の定期預金や普通預金は、国債よりも先にリスクにさらされます

たしかに、銀行預金は1000万円までペイオフという制度で守られています。しかし、これも法です。日本国の法の下で保護されているに過ぎません。保証しているのは結局のところ、日本国ということになります。

したがって、銀行預金よりも国債の方が安全であると断言できるでしょう。世界で一番安全なお金の貯蔵庫のひとつは、日本国債なのです。いずれにしても、家計管理や資産運用をまじめにコツコツ行っていくと、いつか銀行預金1000万円を超えるときがきます。

ぜひ、活用していきましょう。



個人向け国債のもつ"反則級"のメリット

とりわけ個人向け国債(変動10年)がオススメな理由

それでは、どの国債を買えばいいんだ、という話に進んでいきたいと思います。

実は、国債もいくつか種類があるのです。私は、個人が買付できる個人向け国債をオススメします。「個人向け」というよりも「個人限定(機関投資家はダメだよ)」と表現するほうが正しいかもしれません。

その中でも"イチオシ"の個人向け国債(変動10年)について、その反則級のメリットを述べていきたいと思います。



国が責任を持って保証してくれる

繰り返しになりますが、国債の発行は国の法律に基づいて行われ、その利子と元本の支払いまで国が責任を持って行ってくれます。

これは、個人向け国債(変動10年)においても、例に漏れず該当します。

日本国債は、安心安全な資産クラス(アセットクラス)です。

1万円単位でどこでも買える

債券の多くは、購入最低額面金額が10万円であったり、100万円であったりと、小口投資が難しい対象です。

しかし、個人向け国債は、額面1万円から買い付けることが出来ます。投資信託の100円とまではいきませんが、家計における"お金の貯蔵庫"には十分な単位ではないでしょうか。

さらに、ネット証券、ゆうちょ銀行、都市銀行、地方銀行、信用金庫と、国内のほとんどの金融機関で購入可能です(窓口で宣伝していないのは、金融機関にとって利益が無く、ほとんど顧客だけが得する商品だからです)

1年経てば元本保証で中途換金できる


個人向け国債には満期3年、5年、10年の3種類がありますが、全てにおいて発行後1年経過すれば、いつでも国の買取による中途換金が可能です(発行後1年間は原則として中途換金ができません。大規模災害等の例外はあります)。

一般的な債券であれば、債券市場で売却、個人投資家の多くは証券会社の買い取りによって換金するため、市場環境によっては元本割れが発生するリスクがあります(金利上昇局面)。

個人向け国債は、国が額面での中途換金に応じてくれるため、元本割れが発生しません。正真正銘の無リスク資産です。ただし、満期前に中途換金する場合には、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます。利子は年2回発生しますので、直近1年分の利子は差し引いて元本をお返しするね、ということです。他の商品にはない、破格の条件でしょう。

なお、中途換金も1万円単位でできます。



出典:財務省ウェブサイト(2018年2月9日現在)

変動金利である=インフレ耐性

個人向け国債の満期10年は、変動金利です。これが素晴らしいです。

多くの方にとって変動金利を耳にするのは、住宅ローンを検討するときではないかと思います。既にご存知だと思いますが、利子のタイプには固定金利変動金利があります。固定金利は満期までの利率が固定されているものであり、変動金利は時々の実勢金利に応じて利率が変動するものです。

個人向け国債(10年変動)
の場合、半年毎にやってくる利払い日に、10年固定利付国債(いわゆる長期国債)の市場における利回りを参考に、係数である×0.66を掛け算して、金利が更新されていきます。

変動金利の最大のメリットは、金利上昇局面において、購買力が目減りしにくいことです。インフレによって金利が上昇したとき、個人向け国債(変動10年)の金利も追従していきます。つまり、インフレ耐性の性質を持っていることになります。インフレはお金が薄まっていく現象であり、最も気を配らなければならない現象です。これは普通預金や、固定金利である定期預金にはない、変動金利ならではのメリットです。



出典:財務省ウェブサイト(2018年2月9日現在)
インフレと購買力をまとめております。
【利回りに騙されるな】実質リターン、名目リターン、インフレ率を知れ。

変動金利でも最低金利保証0.05%


変動金利で貸すことのメリットはインフレ…金利上昇局面にあります。

デメリットはデフレ…金利下降局面に現れます。市場の金利が下がると、個人向け国債(変動10年)の金利も下がるのです。ご存知の通り、今の日本の状態です。マイナス金利。最近のニュースで耳にされることと思います。

このデメリット側に防衛ラインが敷かれていることこそ、反則級のメリットなのです。先ほどの金利の図をもう一度見ていただけばと思うのですが、金利がマイナス側に行かないように、最低金利保証として0.05%が設定されております。よって市場がマイナス金利となっても0.05%がストッパーとなります(地味ですが、金利0.05%は、今の国内情勢を鑑みると、定期預金と比較しても十分な水準ではないでしょうか)

よって、インフレとなった時にはインフレ耐性を示して金利を上振れさせることができ、デフレの時には0.05%が防衛ラインとなって金利が下振れすることを防いでしまう。マイナス金利の今だからこそ、有用な手段といえるのではないでしょうか。

保有コストがゼロ

最後に、投資信託のように、ファンドを通じて購入するわけではないため、信託報酬のような手数料はかかりませんダイレクトに日本国債を保有することになり、貴方が日本国の債権者となります。



ぜひ生活防衛資金の基礎部分に

わが家での活用事例

最後に、わが家での活用方法について述べたいと思います。

わが家では貯蓄(生活防衛資金)の基礎部分に、個人向け国債(変動10年)を採用しております。

個人向け国債(変動10年)1年間、中途換金できません。よって、近々の生活費やライフイベント、おおよそ今年から来年までにかかるお金を、普段使う銀行の普通預金口座に入れておき、それ以外の貯蓄(生活防衛資金)を全て個人向け国債(変動10年)にしております。

普通預金口座に中途半端な金額や期間、あるいは証券口座に一時的な現金が発生した場合には、ネット銀行の定期預金の金利キャンペーンを利用して、定期預金に中継ぎをさせることもありますが、原則としては、生活のための普通預金口座と、貯蓄のための個人向け国債(変動10年)さえあれば、無リスク資産の管理はほぼ満点だと私は思っております。

銀行預金のようにペイオフの上限1000万円を気にせず、無限に積み上げることができるため、1口座で完結できます。管理もシンプルになりますね。いい感じです。

ご覧いただきありがとうございました。