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【防災用品】地震・自然災害のために「最低限」自宅に備えておきたいもの。



ライフラインの断絶に備える

発生直後は自分で自分の身を守るしかない

HIRA (@Open_JP) と申します。

この記事では、私が自宅にそろえている「最低限」の防災対策をご紹介いたします。

私は東日本大震災のとき、仙台で被災、東北から脱出するまでの数日間は仙台市内で避難所生活を送っておりました。そのとき、本当に必要な物は限られていること、しかし絶対に用意しておきたいものがあることを実感しました。個人的な感想を情報共有させて頂きたいと思います。

ここ数年、大規模災害が列島を襲っています。

2011/03/11 東日本大震災
2011/03/12 長野北部地震
2011/08/25 平成23年度台風第12号(紀伊半島)
2013/10/15 平成25年台風第26号(関東地方)
2014/08/20 広島市土砂災害
2015/09/27 御嶽山噴火
2016/04/16 熊本地震
2017/07/05 九州北部豪雨
2018/06/18 大阪府北部地震
2018/06/28 平成30年7月豪雨(西日本)
2018/09/04 平成30年台風第21号(近畿地方)
2018/09/06 平成30年北海道胆振東部地震

自然災害が発生したとしても、個人資産(不動産や有価証券)は保険などの金融商品を活用することで、リスクヘッジができます。しかし、その現場に自分がいるとき。ライフラインの途絶による生命に対するリスクに備えなければなりません。

戦後最悪の自然災害といわれる東日本大震災では、電気1週間水道3週間ガス5週間、おおかたの復旧までに時間を要しています。支援物資が避難所で配給されていましたが、おおよそ1週間自助努力が求められる可能性が高いと考えるべきです。人口が多く相対的に物資の少ない大都市なら尚更です。

そこで考えたいのは自宅の防災備蓄です。

行政による物資が行き渡るまで、自分自身家族を守るための「保険」です。しかし「何を買えばいいのか分からない、防災用品も種類が多すぎる」と思います。そこで「最低限」備えておきたいものを、あくまで私個人の経験から、お示ししたいと思います。今の時代、ネット通販で買い揃えるだけで完了する作業ですから、お時間あるときに、ご検討いただけたらと思います。



地震・自然災害に「最低限」備えたいもの

1つ目: 情報

地震・自然災害の発生からしばらくして断絶するものが「情報」です。これは大規模な停電によって生じる被害です。いま何が起こったのか。どのくらいの被害なのか。ひいては家族に危害が及ぶ可能性のある災害なのか。現地では情報を知りたくて仕方がないのです。

私は仙台市内の某ホテルで被災しましたが、停電したロビーで数十分ほど待機している間に「○○海岸に数百人のご遺体が打ち上げられた」との情報がウワサで流れてきたことを今でも覚えています。自分が今直面しているものの全体像が分からないことは、恐怖でしかありません。

停電しているためにテレビから情報を得ることが出来ません。そこで真っ先に役に立つのは手元にあるスマートフォンになると思います。インターネットは強いです。ツイッター等のSNSは非常に有用でした。しかし現地では「充電」が出来ません。スマートフォンを電気が復旧するまでの1週間、使い続けるために、長期停電が見込まれる大規模災害では「発電」できる何かが必要となります。

そこで私が購入したものが手回し式USB充電が出来るポータブルラジオです。信頼のSONY。夜間の照明にもなります。これでスマートフォンを使い続けることができ、情報収集の手段を保つことができます。ラジオは受動的な情報に限られますが、情報源の分散に寄与します。



このほか、①自宅に太陽光パネルを設置する(オール電化)②自家用車の備品としてカーインバーターを用意しておき、非常時に車を発電機として使用することも「情報断絶」に対する備えになると考えられます。私は自宅付近に駐車している勤め先のハイブリッド車にカーインバーターを積んでおりますので、非常時にはバックアップ電源になりそうです。


2つ目: 現金

お金です。現金です。もちろん日本円です。

現場では大規模停電のため、お店のレジが使えなくなります。したがってクレジットカードが使えない状況になります。当然ですが銀行ATMも動かなくなりますので、現金を引き出すことが出来なくなります。通帳があれば、ゆうちょや銀行が対応してくれるケースもありますが、現地の金融機関の方々も被災者です。発生直後は対応していただけないと考えた方がいいでしょう。

東日本大震災の直後の仙台市では、一部店舗が営業を再開していました。もちろん物資を市民に提供するための営業で、ドラッグストアのような業態が多かったでしょうか。しかし決済は現金のみです。まだ停電していますから。また店舗によっては高騰した特別金額(例えばカップラーメン1個500円)で販売されていました。市場原理、供給が途絶した環境であるわけですから、当然といえば当然でしょうか…十分なお金を用意しておきたいものです。

これは余談ですが、公共交通機関の中でも、新幹線在来線は復旧に時間がかかりましたが、高速バスは比較的早期(数日後)から一部運行を再開していました。現金が手元にあれば東北地方から自力で避難することが出来たのです。この経験から、私は日ごろから財布に現金を多く入れておくことを心がけています。日本ですから出張先で被災する可能性もあるのです。

したがって、ある程度の金額を現金で保有しておくことは大変重要だと考えます。小銭の用意があると、公衆電話にも使えるかもしれません。

私は防災用品のリュックの中に5万円ほど入れております。



3つ目: 水と食料

公的支援が始まるまでの間、家族分の水と食料があれば万全です。

備えるべきは家族の3日間分とよく言われます。

とはいうものの、多くの家庭の場合、冷蔵庫にある程度の食料がありますし、缶詰などの保存食品もあることと思います。フルーツグラノーラであったり。チョコレートであったり。お菓子も意外と保存が利きます。ミックスナッツも然り。なので私は万が一のためだけに、がっちりと食料をストックする必要はないんじゃないかなと考えております。

わが家では補助的アルファ米だけ備蓄しています。水を入れるだけで食べられるザ・防災食です。5年保存×12食分を買っています。正直これだけでも3日はいける。あとは缶詰などの保存食品を多めに買って自宅に在庫するように心掛けています。いろいろと買い過ぎても、もったいないです。アルファ米が12食あるだけで相当余裕が出るはずです。



しかし、は意外と自宅のストック量が少ないのではないでしょうか。水は大事です。食料以上に大事です。もちろん断水の可能性は大いにありますし、大規模マンションのような集合住宅では停電だけで水回りが停止する場合もあります。

わが家ではミネラルウォーターのペッドボトルを箱買いして備蓄しています。消費期限を保つために適宜、飲んで、再購入して、を繰り返して循環させることもあります。普段からお茶をペットボトルで買う方も自宅の在庫数を増やすだけでいいかもしれません(ローリングストック)。

またに関連して、防災用品ではありませんが、発生直後に「お風呂に可能な限り水を張る」ことは大変重要です。発生直後は水道がしばらく生きています。このうちに、トイレ等など生活用水として使用するための水の確保は初動として優先順位が高いといわれております。


その他: リュック・ポリ袋・ガムテープ・ガス

自宅から避難所へ持ち出すために、防災用品をまとめて入れておくリュックがあると便利です。いざというときにサッと持ち出せます。登山用で負荷が少なく防水が施されているものがあります。私はリュックの中に、手回し式のポータブルラジオ現金、取り急ぎの水(500mlペッドボトル)食料(えいようかんを入れて、常に納戸に置いております。

またリュックの中にポリ袋ガムテープを併せて入れておくことをオススメします。ポリ袋とガムテープは、水の運搬簡易トイレ目隠し敷物調理応急手当と、様々な場面で使うことが出来ます。決して高価なものではないですから、私は常時リュックの中に入れています。

最後にガスについてです。水と同様に供給が止まることが想定されます。確かに暖かい食事熱湯を作るためには重要ですが、アルファ米缶詰があれば水だけでも食事は取れますし、ペットボトルの水があれば、煮沸して消毒する必要はありません。したがって上述の3つに比して優先順位は下がるでしょう。ただしライフラインの断絶が長期化する場合、精神面でも暖かい食事は有益だと思われます。わが家では、日常生活で使用するカセットコンロカセットボンベを多めに購入して、自宅に保管することで対応しています。お鍋や焼肉が好きなもので。




日常生活を拡張するスタンスで防災対策を図る

「最低限」備えたいものは限られているようだ

防災用品といわれると、まるで専用のものを揃えなければいけないように感じてしまうかもしれません。しかし、あくまで非常時に生活を送るための備えが防災用品ですから、日常生活の延長線上にあるに違いありません。

そして総じて「供給が止まる」ことで生じる障害ですから、マージンとして自宅の在庫を増やすことで、ほとんどのことは対応できるはずです。

手回し式のポータブルラジオで情報ルートを確保し、取引のための現金を手元に置き、水と食料は主に自宅の在庫で対応する。補助的にアルファ米ペッドボトルの水を購入しておく。これだけでも及第点の対策ではないでしょうか。ささやかな備えですが、いざという時に状況が異なってくるはずです。「このくらいなら」という備えから、対策を始めてみてはいかがでしょうか。

ご覧いただきありがとうございました。