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【海外ETF】分配金の推移を調べてみた(VTI・VEA・VWO・VT)



海外ETFの分配金の推移

分配金は成長しているか

HIRA (@Open_JP) と申します。

私は、海外ETFを活用して、全世界の株式市場および債券市場に対する国際分散投資を実践しております。数ある海外ETFのなかでも、特にVTI(米国株式)・VEA(米国を除く先進国株式)・VEA(新興国株式)を主軸とし、バイアンドホールドの投資スタイルを保っています。

投資方針をまとめております。
私の投資

周知の通り、投資信託と海外ETFの違いのひとつに「分配金の有無」があります。海外ETFは構成する企業(株式)が、各々の期に出した配当金をまとめて分配する仕組みがあります。

特に米国株では、ベンジャミン・グレアムも著書「賢明なる投資家」で述べていたとおり、増配していること(配当金が成長していること)が優良株の指標のひとつとなっております。

この記事では、自分の保有する海外ETFであるVTI・VEA・VWOと全世界株式を投資対象とするVTについて、ふと気になり、分配金の推移を調べてみたので、ご紹介いたします。



VTI・VEA・VWO・VT

分配金の推移(-2017)


Yahoo Finance のデータを用いて作成しました。各銘柄のページに遷移したのち「Historical Data」のタグに移動し「Dividends Only」を選択して「Download Data」をクリックすれば、分配金のデータが入手できます。

1株あたりの分配金(米ドル)を年毎に集計し、銘柄別に時系列でプロットしたグラフが以下の図となります。銘柄によってETFが組成された時期が異なるため、当然ですがプロットのスタート地点は異なります。2017年末までの値を示しています。

なお、灰色の網掛けは、リーマン・ショックによるリセッションを強調しております。



少し気になって作成してみたグラフですが、私は面白いなと思いました。最近のバリュエーションでは、米国株、すなわちVTI→割高であるといわれ、VWOやWEA→適正or割安とされております(私も同様の考えであり、これに基づいたポジションを取っております)。確かに価値と価格の差(=安全域)は投資家にとって非常に重要な視点であり、常に留意すべき事項です。

ただし、これらを構成する企業が稼ぐ利益を源とする分配金の成長は、リーマン・ショック前後の時代において、米国が顕著に素晴らしかった事実は否定しようがありません。すごいですね。米国企業は株価によらず、ガッツリ稼いでおり、その価値を安定的に上昇させたといえます。

そこで、じゃあいくらなら買うの?となる訳です。この素晴らしい資産を、高すぎる価格で買わないようにすることが、私たち投資家に求められる視点に違いありません。

今の米国株を考えるには成長をどれだけ見込むかが重要になるはずです。その程度が買える範囲を広げます。例えば、Yahoo Finance配当利回りをみると、VTI 1.60%, VEA 3.05%, VWO 2.61%となっておりますので、現時点のスナップショットでは、価格に対する配当は少ない、といわざるを得ません。しかし他と比して分配金の高い成長率を織り込んでVTIを考えるならば、納得できる数字が算出できるかもしれません。他のファンダメンタルズ指標も同様のはずです。



米国株は素晴らしい資産だが

適正な価格を見定めたい

米国株は、日本株と比して優良な資産だとブームになっております。私も全くその通りだと思いますし、実際に私のポートフォリオにおける最大のポジションは米国株すなわちVTIであり、約35%を占めております。つみたてNISAにおいても、外国株式の投資信託、MSCIコクサイのインデックスを通じて、その大半は米国株に投入されております。

しかし、VTIにおいてPBR 3.0を超える今の価格は適正といえるのでしょうか。米国企業の価値は揺るぎ無いのですが、プライシングだけが心配です。どこまで高い成長率を維持できるのか。やはり私にはバリュー重視の考え方がしっくりきます。ムダに高い買い物は、投資期間を喪失することにつながるからです。これ以上の積極的な買付はできません。自動化しているつみたてNISAでチビチビとMSCIコクサイを買い続けるだけに止めております。

正しい買いのタイミングは、往々にして「欲しいとき」ではなく「捨てたいとき」であると言われています。ここからも「今じゃない」と思うわけです。私は粛々とファンダメンタルズ指標をウォッチしていくスタンスを継続いたします。

ブラックスワンを待つだけのことです。
ご覧いただきありがとうございました。