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【保険】どれに入ればいいの?最低限入っておくべき保険は?



どの保険に入ればいいの?

色々な保険があるけれど…

HIRA (@Open_JP) と申します。

家計の管理を考える上で、
避けては通れないのが保険です。

実は、私は保険がニガテでした。株式や債券のようにシンプルではなく、税制も関わってくるため非常に複雑だからです。ファイナンシャル・プランナーの資格試験を勉強していたときも、保険は覚えるのに時間がかかりました。

本当に加入すべき保険なのか、いらない保険なのか。きちんと納得いくまで理解できる方は限られていると思います。むやみやたらに加入するのは保険会社の思う壺です。

この記事では、私が理解できた範囲内で、保険の考え方について、記しておこうと思います。


緊急事態に備えるための契約

再起不能とならないための備え

保険をシンプルに考えると
緊急事態のための契約」だといえます。

家計のおける緊急事態とは、一言で言うと「経済的損失が莫大」であることです。例えば、①宝くじみたいな金額が必要な事態に陥ること。②家計を支える大事な収入源が途絶えること。その結果、家計が継続できない状況破綻する状態)になってしまうこと、だと考えます。

つまり、自力でカバーできない緊急事態に備えたいとき、はじめて保険を検討すべきだと思うのです。

家計によって加入すべき保険は違う

個々人によって、
資金力(収入や保有資産)は異なります。

大企業勤め、医師、弁護士といった高収入の方。非正規で収入が安定しない方。共働きの方。子育て中の方。独身の方。離婚された方。介護でご両親を支えている方もいらっしゃるでしょう。ご両親からの支援、遺産も影響します。今後想定されるライフイベントも十人十色です。

よって、保険を検討する前に、自分の家計を把握する必要があるのです。決して他人の真似をして入るものではないでしょう。しかし正確な家計簿が必要というわけではありません。わが家はどのくらい稼ぐ力(フロー)があって、どのくらい資産(ストック)を持っているのか。

資金力をザックリと把握します。

もしもの時を想定します。

わが家の家計は、そのイベントが起こった時に、乗り越えることができるか」。

この考え方を用いていくと、多くの方にとって、加入すべき保険は限られていることがみえてきます。そこで大多数の方が検討すべき最低限の保険をピックアップし、ご案内していきたいと思います。



本当に加入すべき保険

自動車保険(任意保険)
重要度:★★★

もしも自動車で死亡事故を起こしてしまい、民事訴訟で数億円の損害賠償を求められたら。過去の判例では5億円を超えているものもあります。被害者が年収5000万円を超える高額所得者だったのです。

また物損事故であったとしても、2億円を超えるものがあります。衝突したトラックの積荷が高額だったのです。店舗に突っ込んだ判例もあります。道路標識も高額です。電光掲示の場合、1000万円に達するものもあるといわれております。資産家でない限り、ポンと支払えません。

他人の体(対人)やモノ(対物)に損害を与えてしまった場合、賠償額は高額になる可能性があります。一般的に、賠償金は速やかに用意しなくてはなりません。このような万が一のリスクにこそ、保険最も役に立つはずです。

なお、強制加入の自賠責保険は、被害者救済が目的であり、補償される範囲は対人事故の賠償損害のみになります。対物補償はありません。支払限度額の上限を超えることも想定されます。

よって、任意保険は必ず検討したいところです。

ご参考:自賠責保険(強制加入)
被害者1人につき
死亡による損害…最高3,000万円
後遺障害による損害…最高4,000万円
傷害による損害…最高120万円



個人賠償責任保険
重要度:★★★

意外と落とし穴かもしれません。
私は重要な保険だと思います。

日常生活の中で、偶然な事故により、他人(第三者)の生命または身体を害したり(対人)、他人の物を壊したりして(対物)、法律上の損害賠償責任を負われた場合に備える保険です。自動車保険の日常生活バージョンといってもいいでしょう。

あまり話題とならないのは、自動車保険、火災保険、クレジットカードや銀行といった他の金融サービスとセットで加入する、特約になっているケースが殆どだからだと思います。私は三井住友カードの付帯サービスとして、補償額3億円(示談交渉サービス付き)のプランに加入しています。多くの場合、自分ひとりの加入で家族全員が補償範囲となります。示談交渉サービス付きがオススメです。

①蛇口の閉め忘れ・トイレの水漏れによって、マンション階下の住居を水浸しにしてしまったとき。②飼い犬が他人を噛んでケガをさせてしまったとき。③子供がデパートで商品を壊してしまったとき。

特に大きいのは、自転車での人身事故です。過去の判例において約5000万円の高額賠償が複数あります。ポンと払える財力があれば不要な保険ですが、多くの一般市民にとって、これも最低限加入しておくべき保険だと私は思っております。コストも月あたり数百円程度です。



火災保険と地震保険
重要度:★★

認知度が高い保険です。人生最大の買い物である自宅に対する保険です。賃貸の場合も加入するケースがあると思いますが、真剣に考えるべきは前者のケースでしょう。

重要度を一つ下げた理由は、資金調達の緊急性が低いからです。住宅ローンが残っていたとしても、月々の家計収支に影響するのみであり、速やかに数千万円~数億円を手配しなければならない上述の損害賠償とは、家計に与える深刻度が異なります。

しかし人生設計に修正を迫られることでしょう。

概念上の存在である金融資産と異なり、現実世界に存在する不動産は多くのリスクに曝されます。特に壊滅的な被害をもたらす火事。地震。火山。水害。いわずもがな、日本は災害の多い国です。地震や豪雨による災害がほぼ毎年、各地で発生しています。

豪雨が原因であれば、火災保険に水災が含まれていれば補償対象になる可能性があります。②土砂崩れが地震に起因するものであれば、地震保険の補償対象となる可能性があります。③地盤沈下による被害の場合、地質の変化に起因するとして火災保険や地震保険だけでは補償されないケースもあります。

保険の契約内容により、補償に含まれるもの・含まれないものがありますので、いま加入している保険をしっかり把握する必要があります

補償プランへの加入・取捨選択に際しては、国や地方自治体がまとめているハザードマップを参考に、土砂災害警戒区域(イエローゾーン)、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)を確認したり、河川氾濫時の浸水エリアを確認することも有用でしょう。



海外旅行保険
重要度:★★

海外旅行中にトラブルに巻き込まれたときに補償してくれる保険です。

期間が短いために重要度を一つ下げておりますが、海外に行くときは必須の保険です。

海外旅行を旅行代理店で手配したときに、窓口スタッフからお勧めされることが多いと思います。またクレジットカード(特にゴールドカード以上)の付帯サービスや、最近はネットから保険会社に直接申し込む方も多いとききます。

基本的な補償は大きく分けて3つあります。

① 治療・救援費用(医療費)
② 賠償責任補償
③ 携行品・交通機関のトラブル

特に①医療費を心配して加入するケースが多いのではないでしょうか。海外ではもちろん日本の健康保険が使えません。全額自己負担となる上に、近年は先進国を中心に医療費が高騰しており、住宅を失うに匹敵する高額請求となる可能性があります。

海外療養費という制度もありますが、まずは海外の医療機関で全額を納める必要があります。アメリカではICUに一泊すると100万円、手術と感染症により入院が長引いた場合、数千万円~1億円という莫大な医療費を目にすることもあります。ぜひ備えておきたいところです。



生命保険
重要度:★

最後に生命保険について述べたいと思います。

最もメジャーな保険であり、様々なパッケージで売られておりますが、原則として「不幸の宝くじ」といえるでしょう。不幸にも当選死亡・高度障害)してしまった場合、任意に設定した保険金額を受け取ることができるという契約、金融商品です。

日本人の多くは誤解しがちですが、保険とは入ることで安心するものではなく、上記のような「契約を必要とするか否か」選択するということです。

したがって、独身時代不要だと思われます。共働きで夫婦が独立して家計を維持できる場合も不要でしょう。十分な資産(ストック)がある場合も不要となる可能性が高い。私個人の意見ですが、一家の大黒柱、つまり家計の収入(フロー)を担う人が死亡して、家計が立ち行かなくなる場合のみ、検討すべきだと考えます。年金制度や勤務先の遺族年金も考慮すべきでしょう。

加入を検討するケースとして/①子供がいて養育費・教育費が見込まれる場合/②妻が専業主婦であり、妻の再就職が困難であることが予想され、当面の生活費が必要となる場合/③葬式代が必要となる場合/があげられます。こういった事態に備えたいとき、加入すべきでしょう。

ちなみにわが家は、妻が資格持ちで再就職が容易であるため、子供の養育費・教育費にあたる保険金額(1500万円×人数)を目的に、掛け捨てで加入しております。もちろん大学卒業で解約する予定です。

目的を明確にし、必要な時期必要な分だけ、契約することを大事にしたいと思います。



保険は加入すべきという先入観

保険会社の営業に惑わされないで

保険会社は、しばしば新卒就職先の人気企業に名を連ねますが、給与水準が高いことが魅力の一つに違いありません。この高額な給与は何処から来るのでしょうか。間違いなく提供するサービス、多くは保険の手数料に違いありません。

生命保険の項で「不幸の宝くじ」と述べましたが、これは期待値元本割れをする(全てのくじを買っても半額程度しか戻ってこない)本物の宝くじと同様であることも含んでおります。保険には手数料が必ず含まれるため、基本的には、売り手に有利な金融商品であり、私達には不利な金融商品なのです。

したがって、保険を貯蓄目的で加入するなど言語道断であり、万が一のために備える契約のコスト(手数料)だと割り切る考え方が賢いと思われます(無知な過去の私は、生命保険料控除に惑わされて、終身保険と個人年金に加入してしまいました)。

資産保全の優先順位は、
①貯蓄、②資産運用、③保険だと私は考えます。

保険はもっとも最後に来るべき選択肢であり、どうしても再起不能になってしまうイベントに備えるための契約です。私は学資保険を全否定します。優先すべき貯蓄や資産運用と統合して、上手く家計管理をしていきたいものですね。

ご覧いただきありがとうございました。

参考記事:【学費対策】国際分散投資とジュニアNISAで"王道"の策を施すべし。