特定口座における保有銘柄
海外ETFのポートフォリオ
HIRA (@Open_JP) と申します。世にたくさんある書籍やブログには、著者による多種多様な主張が述べられています。時には、広告収入や出版に際してのバイアスがかかることもあるでしょう。しかし、この個人投資家の界隈では「絶対に嘘をつけない」ものがあります。
それは、ポートフォリオです。
個人投資家は、家族構成や勤務先などの社会的背景から、将来設計、給与や資産状況、今までの人生経験、投資経験を反映して、たった1つのポートフォリオを組成します。コア・サテライト戦略を取っているとしても、合算で求められるパフォーマンスは1つの数字のみです。
今回の記事では、現時点(2018年7月21日現在)の、私の特定口座における海外ETFのポートフォリオを公開いたします。私の投資方針については、以下リンク先に詳細を記載しておりますが、今後は取引をおこなった場合、そこに至った考察について、まとめていきたいと思います。
投資方針をまとめております。
私の投資
2018年7月 取引と現状
売却 AGG / 買付 VEA VWO
2018年7月に実施した取引は、以下の通りとなっております。
売却:AGG 23株 $106.18
買付:VEA 57株 $42.665
買付:VWO 33株 $42.005
この結果、保有比率は
下図にようになりました。
売却の理由 AGG
VEA, VWO を買いたい
今回の買付に用いた資金は、①保有する海外ETFの2Q分配金、②AGG売却、この2つによるものです。私は、投資方針としてバイアンドホールド(買うだけ、売らない、ずっと持ち続ける)を原則としておりますが、AGGのみ売却を許容しております。
なぜなら、債券ETFのAGGは、海外ETFの買付する際に3つの株式ETF(VTI, VEA, VWO)が全て割高と判断され、どれも買えない、どうしようとなった時のための消去法的な選択肢として、ポートフォリオに組み込んでいるからです。
今月のように、株式ETFのいずれか(VTI, VEA, VWO)に買付したい銘柄が発生した場合、AGGは評価額によらず売却することにしております。
されど追加入金したくない
もちろん、買付したい株式ETFがある場合、生活口座から投資口座に日本円を追加入金を行うことで買付余力とし、バイアンドホールドの原則に従うことも出来ます。しかし、今月は追加入金しないことに致しました。つまり、現金(日本円)のまま持っておきたいとの判断です。1つ目の理由は、景気循環のラストステージに差し掛かったと言われ始めたこと(金利上昇局面、イールドカーブのフラット化など)です。今回も同じとは限りませんが、過去から学ぶしかない株式市場において、過去を軽んじることはできません。
2つ目の理由は、金融資本主義の中心である米国株式におけるバリュエーションが高いこと(CAPE 30.3, PBR 3.3, 実績PER 21.8 / 2018年6月末)がどうしても気になるからです。もし米国がコケたら、その程度の違いこそあれ、他の地域も無事でいられる訳がありません。
よって、積極的にリスク資産を拡大する局面ではないとの判断から(日本円には未だに安全資産としての価値があると考えていることもあり)、今月は追加入金を見送り、引き続き、投資口座の総額に匹敵する日本円の保有をごく普通の定期預金により継続いたします。
買付はバリューに基づきます。
世界の株式のバリュエーションの一覧表(CAPE; シラーPER・PER・PBR)
買付の理由 VEA VWO
バリュエーションに魅力あり
今回、VEA(日欧)とVWO(新興国)を買付した理由は、VTI(米国)よりもバリュエーションが魅力的だったことに他なりません。これらの地域に割安感が出て参りました。私が参考にしている海外サイトのひとつで、Research Affiliates, LLC. が提供するツール Asset Allocation Interactive より、2018年6月末現在のCAPE(シラーPER)をお示しいたします。
Asset Allocation Interactive の解説
過去の CAPE(シラーPER)の分布を調べたいとき(世界の株式市場)
ご覧頂きたいのは青色の矢印で示したEAFE(日欧)とEmerging Market(新興国) とUS Large(S&P500)です。インデックスの構成銘柄において、バンガード社の各ETFとそれぞれ若干の差異がありますが、近似しても差し支えない範囲と考えております。
白色の丸印が直近のCAPEです。
四分位パーセンタイルとなっております。
あわせて各数値の一覧表を掲載しました。
どの水準で買うべきか?というのは永遠の課題かもしれませんが、日欧と新興国 のCAPEは、いずれもボトムから30%前半の水準にあり、中央値以下であることが分かります。
同時にCNNMoneyで実績PERを確認しますと、VEA→14.4, VWO→14.5であり、ひとつの基準である15.0を下回っています。
一方で、米国大型株(S&P500)のCAPEは過去最高水準(ボトムから96.7%)にあり、米国小型株(Russell 2000)においては過去最高そのものです。VTIの実績PERは20を超えています。
常にCAPEと併用しています。
海外ETF の 実績PER を調べたいとき
以上の分析から、私の投資方針では、VTIは買いにくい水準にあります。今月はVEAとVWOを買付することにしました。
ご覧いただきありがとうございます。