世界株式の指標を一覧する
国際分散投資に役立つバリュエーションの一覧表
HIRA (@Open_JP) と申します。本日は、世界の株式における参考指標、CAPE(シラーPER)、実績PER、実績PBRを一覧できるオススメサイトをご紹介いたします。
インデックス投資、国際分散投資を行う上で、非常に参考となるサイトです。むしろ、このサイトだけあれば、他を見る必要はないかもしれません。
バリュエーションを一覧する
無料で使える情報を活用する
私は、以下の情報サイトを使っております。一覧性に優れるサイトデザインが素敵です。
StarCapital AG(ダイレクトに対象ページへリンクしております)
(https://www.starcapital.de/en/research/stock-market-valuation/)
具体例:
世界地図のヒートマップ
リンク先に飛ぶと世界地図が表示されます。カーソルを合わせるとポップアップで国名と選択した指標が表示されます。指標の選択は下のポッチで出来ます。データは毎月更新されているようです。直感的で素晴らしいサイトデザインだと思います。
CAPE→ Cyclically Adjusted Price Earnings Ratio
PE→ 直近12ヶ月の実績PER
PC→ 直近12ヶ月の Price-Cashflow-Ratio
PB→ 最新の企業財務諸表に基づく実績PBR
PS→ 直近12ヶ月の Price-Sales-Ratio
DY→ Dividend-Yield(直近12ヶ月の配当利回り)
RS26W→ 市場価格を過去26週間の平均価格で除算
RS52W→ 市場価格を過去52週間の平均価格で除算
なお、各国の比較可能性を保証するために、RSはEURベースで計算されているそうです(私どもとしてはUSDの方が助かるんですけど…ドイツの会社なのでやむを得ません)。
世界の株式市場におけるバリュエーションの一覧表
世界地図のデータを、テーブルで一覧することもできます(ページ下部)。
加重平均(Weight)の最新値は、ポートフォリオにおける先進国:新興国のリバランスにも活用できそうですね。項目名をクリックすると昇順・降順でソートすることもできます。Scoreは、基本的な評価と相対的な強さの指標から導き出されており、国の相対的な魅力を測定する目安だそうです(青=魅力的、赤=割高)。
CAPE(シラーPER)が一覧できる
Cyclically Adjusted Price Earnings Ratio
CAPE(シラーPER)は、PERの弱点を補う指標であり、もしかすると長期投資においては、より重要視すべき指標かもしれません。ノーベル経済学賞受賞者、エール大学のロバート・シラー教授が考案した株価の割高感を測る指標で、PER(株価収益率)の一種です。
CAPE(シラーPER)では、過去10年間の平均利益に、物価変動を加味した値を一株利益として指標を算出します。この結果、景気循環の影響を調整した株価のバリュエーションを見ることができるのです。
PERでは、基となる企業収益が激しく変動する上に、実際には予測することは不可能です。また長期投資を志向する個人投資家にとって"買い場"をさぐるために力不足でした。最大の"買い場"である金融危機による企業収益の低迷またはマイナスがPERに反映されたとき、PERは"割高"に振れてしまうからです。PERは金融危機後の利益成長の可能性を考慮できないのです。
CAPEと株式リターン
同社の文献(CAPE: Predicting Stock Market Returns, February 2014)より、CAPE(シラーPER)と長期投資のリターンには相関があることが示されております。以下の図は、投資時のCAPEとその後15年における株式の実質リターン(年率)における相関をみたものです。CAPE高値の場合、15年の長期投資であったとしてもマイナスリターンとなる可能性が示唆されております。ちなみに2018年2月末時点の米国のCAPEは 30.7 でした。やはり割高感は拭えません。非線形グラフ上で CAPE 30.7 をみると、なかなか残念な年利回りとなってしまいます。
これは地域別で見た場合にも同様です。以下の表は、地域別に投資時のCAPEとその後15年における株式の実質リターン(年率)を示したものです。最大値、最小値、下位25%、上位75%の値もみることができます。どの地域でも同じ傾向です。
タイミング投資に活用したい
グローバルマクロ戦略が好きな方へ
万能な指標はありません。基本ともいえるPERやPBRですら、ようやく市民権が得られるようになってきた指標とききます。やはり複数の指標から総合的に判断すべきでしょうし、さらにはファンダメンタルズ指標も、すでに株価に織り込まれているとする効率的市場仮説が存在します。むしろ、インデックス投資を志向する方の多くは、効率的市場仮説の信奉者でしょうから、このようなファンダメンタルズ指標に興味を持つことすらないかもしれません。
しかし、常に"考えることのない"インデックス投資にスパイスを利かせるとき。例えば、追加買付を検討するときや、ポートフォリオの資産配分のリバランスする時期を検討するとき、ひとつの参考資料になるのではないでしょうか。
本当に愚直な投資ではありますが、知識を深めていくのも一興です。ちなみに私は過去において、VTI, VEA, VWOと世界を3分割し、本記事に記載したCAPE等のファンダメンタルズ指標を勘案するバリュー投資からのバイアンドホールドを行っていた時期がありました。
ご覧いただきありがとうございました。
投資方針をまとめております。
私の投資
CAPEをさらに分析するときに。
過去の CAPE(シラーPER)の分布を調べたいとき(世界の株式市場)
常にCAPEと併用しております。
海外ETFの実績PERを調べたいとき
しばしば参考にする指標です。
海外ETFの予想PERを調べたいとき