つみたてNISAのはじめ方
つみたてNISAを始めるときの検討事項の大枠を掴む
HIRA (@Open_JP) と申します。今回の記事では、つみたてNISAについて述べたいと思います。
前回の記事では、本制度をオススメする理由を述べさせていただきました。
つみたてNISAのメリットをまとめました。
【非課税制度】なぜ「つみたてNISA」が、ここまで称賛されるのか。
今回は補足として、特に投資をこれから始める初心者の皆様が、具体的に何をすればいいのか、何を選べばいいのか、進んでいく各々のステップで考えるべきポイントについて、カンタンにお示しいたします。
決して難しくありません。まずは手を動かしましょう。トライしながら学んでいくスタンスが、投資を行う上で、大事なことだと思っております。立ち止まってはなりません。時間がもったいない!投資では時間が、もっとも大事なのです。
① 証券口座を開設しましょう
利便性に優れるネット証券
つみたてNISAをするには、証券会社で、証券口座をつくる必要があります。その口座の中に、つみたてNISA専用の枠ができる、というイメージです。先の記事で述べたとおり、つみたてNISAは1人1口座ですので、最初に、証券会社を選ばなければなりません。
私は、インターネット専業のネット証券をオススメいたします。
仕事や育児で多忙な現代人が、証券会社の店舗窓口に行き、買うとき・売るときに毎回手続きをするのは、タイムロスに違いありません。投資において時間は大変貴重です。無駄な営業トークに付き合わされることもしばしばあるでしょう。
また地方にお住まいの方、最寄の証券会社の店舗はどこにあるでしょうか。地方転勤の可能性がある方も同様です。今はスマホでも証券取引を完結できる時代です。ぜひ、ネット証券で口座開設をして、投資の世界に足を踏み入れてみましょう。
株式会社SBI証券 決算説明資料(2018年3月期第1四半期) |
SBI証券か楽天証券を選びましょう
ネット証券の2強は、SBI証券と楽天証券です。手数料や商品数などの全てのサービス面で、業界トップ水準を、いつも競い合っている2社です。3メガの銀行口座と同様に、特筆できる差はありません。私自身は両方とも口座開設した後に、ずっと成り行きでSBI証券を使っています。そしてつみたてNISAも、そのままSBI証券で開設して運用しております。
ちなみに、今は独立しましたが、SBI証券の持ち株会社であるSBIホールディングスは、そもそもソフトバンクから生まれた企業です。設立当時は「SoftBank Investment」の略でしたが、完全独立以降「Strategic Business Innovator」の略に変更しているようですね。口座数・国内トップを走り続けております。個人投資家で、SBI証券の口座を持っていない人は少数派でしょう。
一方の楽天証券では、楽天ポイントで投資信託が買えるサービスが最近の話題になっております。楽天市場・楽天カードをよく使う方は、楽天証券を選ぶメリットが大きいかもしれません。
楽天証券の投資信託のページは、SBI証券より見やすいユーザーインターフェイスだと思っています。長く使っているとそれぞれリニューアルされていくわけですが、現在は、楽天証券を"推し"です。知りたい情報のリンクが、分かりやすく配置されているように思います。
銀行口座を作る時に吟味しますか?
このように、各ネット証券のサイトを見て、商品を選んだり、買ったり、売ったりすることになるので、サイトのデザインの好みは大事かもしれません。(しかし、つみたてNISAは一度設定してしまえば自動化が可能なので、しょっちゅうログインして見るものでもないですが)
それぞれのサイトをみて、投資信託の商品ページや、スクリーニングなど、いろいろいじってみて、自分にとって見やすい・使いやすい方で、直感的に決めてしまっていいと思います。ここで立ち止まるよりも、投資そのもの、次のステップに時間を費やすほうが、生産的だと思います。
SBI証券:
https://www.sbisec.co.jp/ETGate
楽天証券:
https://www.rakuten-sec.co.jp/
② 投資対象の配分を決めましょう
アセットアロケーションの決定
つみたてNISAの口座まで無事に開設できたら、次のステップに移ります。考えるステップです。ここからが投資です。そして投資成果の約90%は、このステップで決まるといわれております。とても重要なのです。このステップでは、投資する資産クラス(アセットクラス)の配分を決定します。これを「アセットアロケーション」といいます。つまり1年で積み立てられる40万円を、どの対象にどういった配分で投資をするか、決定するのです。
アセットアロケーションこそ、長期投資家の戦略や戦術、経験や考え方、信条がにじみ出てくる、一番面白いところです。個人投資家の先輩方と意見交換するほとんどは、アセットアロケーションです。投資家ブロガーの方々の記事で、最も参考になるトピックのひとつでもあります。
アセットアロケーションに正解はない
しかし、これが正解ですとお示しできません。
その理由は、「オーダーメイドになるから」に尽きます。家族構成、年収(共働き・専業主婦)、年齢、不動産、各ローン残高、教育費(公立・私立)、介護、老後資金などなど。
本来考慮すべき項目は多岐に渡っており、その人にとって、どれがベストであるか、どのくらいまでリスクを許容できるか(リスク許容度)、性格や精神面までも含めると、多様性に富んでおり、正解がひとつにならないのです。
マンツーマンでの、個別化されたコンサルティングが必要となります。したがって、個人投資家は、これを意見交換しながら、勉強しながら、自分自身で腕を磨いていくのです。
つみたてNISAで20年間やり切るなら
この前提をご理解いただいた上で、仮条件として「つみたてNISAで、余剰資金のみを投じ、20年間ずっと寝かせて、将来の教育費や老後資金の足しにするんだ」というお考えならば、100%株式は最適解のひとつになる、と私は考えております。(根拠データは先の記事にございます。私が示したデータは米国市場のものですが、国内市場=日本株式でも、同様の傾向が認められることが知られています)
ただし、リーマンショックの様な経済危機が発生したときには資産評価額が半減することが見込まれますので、意思決定の上で腹をくくる必要があります。もしものときの下落率を下げる場合には、債券の組み入れを考慮します。
株式の優位性について述べております。
【非課税制度】なぜ「つみたてNISA」が、ここまで称賛されるのか。
これは個人的な意見ですが、私がアセットアロケーションにおいて重要視している項目は、資産の保有期間(寝かせておける期間)であり、15年をカットオフとしております。ザックリと15年以上使わないお金=株式、15年以内に使う予定のお金=債券という考え方です。
100%株式+国際分散投資という選択
仮に100%株式と決めたならば、次はどの地域に投資をするかという話になります。日本なのか、アメリカなのか、欧州なのか、はたまた中国・インドなのか。
私は、世界の中から投資地域を選ぶ行為は、勝者と敗者に分かれるゼロサムゲームと考えております。インデックス投資のバイブルのひとつにおいて、一般人は、プロに負けないために平均値を目指すことが推奨されております(推薦図書:チャールズ・エリス著「敗者のゲーム」)。
そのためには、あえて選ばず、世界をまるごと買ってしまえばいいのです。投資をはじめるにあたり、その第一歩として、世界の企業の時価総額加重平均を用いたアセットアロケーションを構成することをオススメします(最新の情報はインターネット検索が大変便利です)。これをベースとして投資の自己研鑽をスタートすれば、大きな間違いは生じないはずです。
具体例をひとつ
ちなみに、私は、つみたてNISAにおいて、90%先進国株式(MSCIコクサイ)+10%日本株式(TOPIX)と配分して積み立てをスタートしました(2018年5月現在)。これは先進国における、おおよその時価総額加重平均となっております。もちろん新興国も無視できない存在ですが、私は別の口座で新興国株式に投資を行っておりますので、つみたてNISAでは先進国に絞った配分にしました。全体でバランスしております。
もし、つみたてNISAだけで投資をするならば、前述の通り、世界の企業の時価総額加重平均と同様になるように組み立てるでしょう。世界の株式市場の動向を表す指数を参考資料にします。
世界株式のインデックスである、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)や、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスの構成割合が、見本になると思います。これらは公表されております。2018年1月現在のデータをみると、おおよそ80%先進国株式+10%日本株式+10%新興国株式になるでしょうか。私ならば、これでいきます。
また商品の中には、世界の株式市場、上記の2つのインデックスに連動する投資信託もありますので、シンプルに1本で、運用していく方法もアリだと思います。
ご参考:楽天VTについて言及しています。
【学費対策】国際分散投資と、ジュニアNISAで、"王道"の策を施すべし。
(ただし、つみたてNISAだけ、全世界1本だけで投資をする場合、各地域の強弱を感じることができないので、個人的には先進国+新興国+日本と分けて管理することをオススメします。得られる成果は同等だと思いますが、時事ニュースに対する関心が高まるのではないでしょうか)
③ 買う商品を決めましょう
決めた配分に従って買付する
アセットアロケーションまで決めてしまえば、あと一息です。最後に投資信託を選択します。
そもそも、つみたてNISAは、金融庁が定めた条件をクリアしたものに限り、制度内で投資できるようになっております。よって、本制度で選択できる投資信託は、ある意味で「お墨付き」を貰っていると表現できます。
ご参考までに、私が「つみたてNISA」で選択している投資信託を別ページにまとめておりますので、ぜひご一読ください。特に信託報酬については競争が激しくなってきておりますので、最新の情報を見るように努めていただけたらと思います。
投資信託を選んで、つみたてNISA、完了です。皆様とともにハッピーになりたいものですね。
ご覧いただきありがとうございました。
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